2013年9月18日水曜日

Papers, Please

Steam でリリースされたインディ作品、 "Papers, Please" です。

海外のゲーム動画で見て惚れました。
Glory to Arstotzka!
先に言っておきますが、このゲームは、暗いです。
今まで僕がやってきたどんなゲームよりも暗いです。

このゲームでプレイヤーは Arstotzka の入国審査官となり、入国者を ACCEPT (入国許可)/ DENIED(不許可) にわけてゆきます。
なぜこんなに殺伐としているのかというと、独立したばかりの仮想の共産国 Arstotzka と敵対する共産国 Kolechina の国境が舞台だからです。
プレイヤーにしたって、夢と希望をもって入国審査官になったわけではないですからね。
10月の労働者抽選で選ばれ、家族を村から連れてきて養っているだけです。希望なんかほんの僅かもありゃしない。

ざっと流れを見てみましょう。
これがゲーム画面——入国希望者の運命を左右し、様々なドラマが生まれるあなたのブースです。

赤字は筆者が書き足しました

暗い!!

画面上がブースの外の様子、左がブースの全貌、右があなたのデスクです。
ゲームが進むとショートカットも使えるようになりますが、最初はマウスのクリックとドラッグのみです。

旅行者は左側に書類を出してきますので、デスクにドラッグ&ドロップして書類を検分しましょう。

先にクリアのためにとても重要な、ブースの情報を整理しておきましょう。
左から、カレンダーと時計、指示や手配書をまとめた手紙、オーディオトランススクリプト、ルールブック、体重計です。
非常に見えづらいですか、旅行者の後ろ側に書いてある縞は身長の指標です。
オーディオトランススクリプトとは、相手の喋ったことをテキストに落としたもので、たいへん便利です。
最初の数日、もっぱら使うのは時計とルールブックでしょうね。

右下の Inspector と書いてあるのはプレイヤーを助けてくれる調査機能で、具体的な使い方は後ほど。

シャッターはブースのシャッターで、朝一番に開けるところから始まります。
シャッターの上にあるスピーカーは超重要で、高圧的に次の客を呼ぶのに使います。これ押さないと仕事になりません。

NEXT!


日本のパスポートは超強力ですので、友好的な関係にある国に出入りするのに他の書類出したりしません。ですがここはアレ。アレな国とアレな国の国境。
ゲームが進むと、この入国ゲートはテロリスト、密入国者の脅威に晒されます。
毎日必要な書類が増えていくでしょう。

最も基本となるのはパスポートです。パスポートの情報と他の情報に矛盾がないか、有効期限を調べるのが基本です。
つまり、氏名、性別、パスポート番号、写真、発行都市(ISS)、有効期限です。

上のスクリーンショットはもうだいぶ複雑な状況です。
入国者から、入国許可証、ID付帯情報、が提出されましたが肝心のパスポートが出てません。
ルールブックを出して、最初の項目 "入国者はパスポートを所持すること" を参照しましょう。
右下の Inspector を押して有効化し、指摘すべき項目を順にクリックします。
この場合は、ルールブックの最初の項目とテーブルの上をクリックし、パスポートが不足していることを示します。
(スクリーンショットはまさにその瞬間であります)
その後、オーディオトランススクリプトがある Interrogate を使って尋問します。

「ああ、パスポートね。これだよ」なんて言いながらパスポートが出てきました。
氏名、性別、体型、特徴、パスポート発行都市、パスポート番号、全ての書類の有効期限……書類上は問題なさそうです。
更に指名手配書とオーディオトランススクリプトを調べて、 入国目的と期間が入国許可証とズレていなければ、 ACCEPT のスタンプを押して入国許可をしても大丈夫そうです。
スタンプを押したら書類を全て返却して見送りましょう。
Glory to Arstotzka!!

もし人相が写真と合わない場合、氏名が異なる場合、性別が異なる場合は inspector を使って指摘し、更に指紋を取ったりスキャンなどをします。
危険物を持っている場合は、 Inspector でルールブックの「武器、麻薬の持ち込みを禁ず」を参照して指摘してください。
逮捕権が与えられたら、その場で逮捕することもできます。


さて、これはかなり簡単な例。
Arstotzka のパスポートを持つ者は付帯書類がずっと少なくてよいです。
初日は Arstotzka 国民なら全員受け入れてよく、それ以外のパスポートは全部拒否してよいです。
その後、 Arstotzka 国民はパスポートと ID が必要になります。
この場合は ID とパスポートの対照は問題ありませんが、パスポートの有効期限が切れています。
Inspector を起動して、有効期限とカレンダーを対照しましょう。これを指摘すると相手は「時間がなかった」など言い訳しますが、聞く耳持つことはありません。
ぱぱっとリジェクトして次の人を呼びましょう。

NEXT!

有効な期間を示す日付は、一番基本的な有効期限である Expire と、示された日付から有効な "Valid on" と示された日まで有効な "Date by" などがあるので注意しましょう。

でも本当に辛いのは生活


このゲームが暗いのは雰囲気が陰々滅々としていて仕事が単調で、呪われろ!とか呪詛の言葉を浴びせられるからだけではありません。
一日10人処理しても$50くらいにしかならない、その超低賃金とクソ高い物価にあります。
Arstotzka では毎日 $25 のアパートの料金と $15 の燃料費がかかります。そうでなければ家族は凍え、弱い者から病気になってしまいます。
テロが発生すると半ドンなので5-6人の処理で大赤字です。

初めのうちこそ、誤って正しい書類をリジェクトしてしまってもペナルティにはなりません。
ですがすぐ厳格さが求められるようになり、間違って密入国者を通してしまっても、正当な入国者を拒んでしまっても給料を引かれるようになります。
最初の二回は警告、そして次からは -$5 のペナルティ。
家賃が払えなくなれば即クビであります。
そうなる前に家族は凍え、飢え、病み、妹は窃盗で捕まり姪が宿無しに……。

このゲームには冗長な説明とかはありません。
一日のリザルトに表示される短いテキストと、翌朝の新聞が基本です。
翌朝の新聞を見ると、昨日通した不法入国者が殺人で捕まったり死んでいたりします。
周辺国との関係も悪くなる一方。

そんなプレイヤーにとってほんの僅かな希望は、たまに持ちかけられる賄賂です。
守衛が持ちかけて来る、一人逮捕するとボーナスくれる話はとにかく美味しい。期限切れや入国理由があやふやなだけでは逮捕できないから、パスポート偽造してる奴や危険物隠している奴を見つけると嬉しくなりますよ。

そして怪しい反政府組織 EZIC がプレイヤーに接触し、巨額賄賂を受け取るよう迫ります。
賄賂の見返りは彼らへの協力。敵対組織の構成員をみつけて入国拒否したり、不法入国の手助けをしたり、さらには——。
もちろん、頑に賄賂を断ることもできると思います。エンディングは20種類。


2013年9月17日火曜日

夏の思い出

大型台風が今年初めて本州上陸した三連休、散々な思いをした人も多いと思います。お察し致します。
台風が去って東京には涼しい風が吹いており、ああ、秋が来るなぁと思って夏らしいことを何にも書いてないことに気付きました。

Joysound のキャンペーンで VAMPS のライブチケットが当たったので8月11日の VAMP Party13 に行って来ました。
ところが当選メールがきたのが 8/7 でして、既に直通バスの受付を締め切られ、帰省シーズンであるため直通バスも満員——車がない私はやむなく電車とバスを乗り継いで、遥々山中湖まで行って来ました。

余裕たっぷりに出たはずが中央線は踏切故障で2時間遅れ。
不案内な山中湖周辺のバスに憤慨しながらも、どうにか到着しました。
VAMPS PARTY 13 in 山中湖

写真は別に狙ったのではなくゲートを撮ろうとしてたら目の前でいきなり脱ぎ出しただけですよ?
ゲートの右側では記念撮影している人達がいたので外したのです。
奥に見えるのは物販やらクロークやらで、写真の右手より更に行ったところに特設ステージがありました。
開演ギリギリになったためとっくに皆入場済みでした。物販なんか観てる余裕もなく……。
他に写真撮ってる余裕もありませんでした。

抽選で当たった席なので一番遠いブロックでしたが全景やステージの背後までよく見えるという意味じゃ特等席。HELLO とか hyde ソロ曲を含まれてましたよ。
夕暮れの富士山と湖を背景に井上陽水の少年時代を歌ったところは、他にはない非常に贅沢な時間でした。
陽が落ちてからがライブ本番で、火もレーザーも使った演出、特に REPLAY の演出が超かっこよく曲の印象がガラリと変わりました。
AHEAD は最初だし、もうちょい音源通り歌ってほしかったw
激しく真っ赤な KYUKETSU, 暗いブルーの My First Last……。

それにしても hyde は VAMPS だとすげー喋りますね。
MC が多いのなんの。
日が暮れるまでの時間稼ぎだったんでしょうけど「もうちょい喋らせて」「お盆ってイベント?最近好きになったんだよ」と MC を続ける hyde なんか見た事ないよ。

LOVE ADDICT, ラストは盛大な花火。
隅田川花火大会はたいへん残念な結末になりましたからねw
このへんで、帰りの足が激しく心配な私たちは早めに撤収してステージの外から見てました。
いや、もう路線バスはなくなってたんですが……。
臨時バスが出るということで21時を過ぎていたのにも関わらず、無事富士山駅まで戻り、そこから東京まで戻れたのでした。
DSC00312 DSC00314
まぁーお世辞にもアクセス良くはなかったですねw
富士急行は今すぐバスのページを旅行者にも親切に書き換え、代表的な停留所だけじゃなくて全ての停留所が見られるようにしなさい!

コミケには今年も参加できず。
……というか、無理ですよ。死んじゃいます。

話は飛んで 9 月。
弟夫婦と姪っ子、妹夫婦とともにちょっと実家に帰る用事がありまして帰省しました。
台風が来る予定で新幹線とか心配していたのですが、電話してみたら何やらバーベキューやるんだとか。
その電話をしてる間にもう遠くの平原にゲリラ豪雨、更に生まれたての竜巻が……。
家に近づくとヒョウが振って来て突風が吹き付け雷鳴が轟いてまして「今すぐバーベキューセットを片付けて避難するんだ!」「大丈夫だよ〜晴れてるよ〜」「晴れてねえよ!」というようなやり取りをしていました。
この直後、竜巻ができかけて境界付近に真っ黒な土煙が
豪雨
「そぅれ!バーベキューだ!」の筈が「汚物は消毒だー!」コースに
まぁ、夜には雨も上がって雷も去り、少々風が強いものの花火ができるくらいには回復しました。

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夏らしいでしょう?
でもこの花火の陰で、一匹の蛾がこの世を去りました。子供って怖い

そして残暑の厳しい 9/13。10年半お世話になった某ゲーム機の会社を退職致しましたことお知らせいたします。
関係者の皆様には大変お世話になりました。
お陰さまでよい仕事ができました。この場を借りてお礼申し上げます。
今後ともどうぞよろしく。

2013年9月7日土曜日

KILLZONE VITA 版

KILLZONE mercenary が面白かったのでレビューを。

RESISTANCE に続く VITA 二つ目の本格的 FPS です。
……え? CoD? あっ。
RESISTANCE もまぁ、悪くはなかったですよ。オンラインマルチは絶望的に浅かったですが……。

本作、ボリュームはかなり小さいです。
3800 円だって値段も考慮しないといけないでしょうが…… いや、まぁ、待った!
本作のキャンペーンは、カジュアルな操作性で激しい戦闘が楽しめ、戦略性豊かなマップも本格的なストーリーも確かに素晴らしく、もっとやりたいと思うのは自然なことでしょう。しかしキャンペーンの魅力はごく一部に過ぎません。
ごく序盤の一コマ
正直、ステータスによるとシングルプレイ一周 4 時間 26 分でクリアしました。まぁこれ、延べ時間ではないと思います。結構死にまくった時間を含めると体感的には 5-6 時間くらいと思います。
キャンペーンミッションは 4 通りの時間稼ぎ遊び方があり、まず普通にクリアするのと、隠密ミッション、精密ミッション、破壊ミッションがありそれぞれ結構やりがいがありますよ。

そもそも KILLZONE って?


地球の植民地惑星ヴェクタ。地球そっくりの美しい惑星です。
 舞台は地球の植民地ヴェクタ星と敵の母星ヘルガーン。
(地球人にとっての植民地星ってことで、地球上にヴェクタがあるってことじゃないです)
植民地ヴェクタを巡るヴェクタン/地球人と、追放されたヴェクタ開拓民の子孫であヘルガストとの戦争の物語です。
まぁ、モビルスーツが出て来ないだけで、ガンダムみたいな話ですよね。
ヴェクタの開拓民達はヴェクタ独立を宣言し、地球との戦争に負けてヘルガーンへ撤退したのでした。

まぁいまだに戦場なんですけどね。
プレイヤーはヴェクタの軍需企業の傭兵となり、いかにも UNIT13 に出てきそうな軽薄そうな顔で、戦争にまつわる裏切りの物語に巻き込まれて行きます。
序盤、ミッションは PS2 から PS3 まで続いた KILLZONE の物語の裏側を辿るものが続きます。KILLZONE2 で苦しめられたアークキャノンとか懐かしいですよね。
懐かしのアークキャノン。これにお船をドカーンとやられて落っこちました

グラフィックスと操作性

グラフィックスや操作性は文句なし。
ディファードレンダリングを駆使した独特の濃い空気感は健在ですし、 HDR もとても美しい(邪魔ですが)。
舞台はヘルガーンへ
ヘルガーンの大使館
尋問中、敵や床がドアップになるとさすがにポリゴンが少々荒いなぁとは思いますし、シーン全体でさすがに PS3 版ほどの緻密さはないですけども。

操作性はデフォルトのままやってますが今のところ不都合ありません。
アンチャーテッド VITA 版で活躍したジャイロ/加速度センサーを使ったエイミングもサポートされているようです。僕は使いませんが。

システム

今回傭兵なので、兵種は決まっていません。
装備する武器と、ヴァンガードという重量級ハイテク兵器の組み合わせで特徴づけられます。
空爆、追尾ミサイル、光学迷彩、盾……特にお勧めなのはヤマアラシというスティンガーのような追尾ミサイル、そして操縦可能な暗殺マシンであるマンティスエンジン。これは CoD シリーズなどで人気の"ラジコン" 、アレのいやらしくてしつこくてしかも空飛ぶバージョン。
マルチプレイにおいては芋スナイパーを発見してストレスを解消するのに素晴らしい活躍をしてくれます。
あと少々おかしなシステムとして、プレイスタイルや実績に応じて毎日貰えるヴァラーカードというトランプみたいなものがあります。このカードの効果で自分のプレイスタイルが補強されることがあります。
ヴァラーカードによるご利益が発生


ヴァラーカードはオンラインマルチで敵から奪うこともできて、これで謎の七並べができます。何なんでしょう。よくわかりません。
左側の○が装備中のヴァンガードで、タッチで起動します。
画面左上に表示されているのがお金です。これで武器を調達しましょう。買いそろえた武器はオンラインマルチでも使えます。オンラインマルチでお金を稼いでキャンペーンで浪費することもできますよ。

オンラインマルチ

オンラインマルチでは、マーセナリーウォーフェア(所謂DM=デスマッチ)、ゲリラウォーフェア(所謂 TDM=チームデスマッチ)、ウォーゾーン(いわゆる CTF=キャプチャーザフラッグ敵なものや、色んなモードの巡回)があります。
最大 8 人なのでデスマッチがお勧めです。これが超アツい。
BOT の類いはいませんのでご注意。
マップの凝り方は凄いものがあって、各マップ実に練り込まれています。さすが、さすが。
あらかじめ”武器庫”メニューからテーマ毎に装備を編集しておきましょう。

フレンドとの対戦

難点はアドホック対戦非対応なので、リアル友人と対戦するのに凄い面倒くさいところと、メニューやマルチプレイ時のステータス表示などがいちいちダサいところでしょうか。
今時、ボタンに書いたテキストを読まないといけないというのも、ややストレスです。まぁ慣れですかねー……。

友人とプレイする場合は、自分でルームを作ってフレンドを招待するなど標準的な方法でもできます。
VITA のトップメニューから標準の"フレンド"を起動し、リストからフレンドを選んで参加することもできます。
……が、残念ながらマッチは 4vs4 ですので、思うようにいかないことも多いでしょう。
あらかじめ VITA のトップメニューから"パーティ"を起動して遊びたいフレンドを参加させておくことで、ボイスチャットやフレンド達とまとまってマッチングを渡り歩く事も可能です。
……あっ、理論上可能ってくらいですよ。ネットワークエラーやその他諸々を考えて、果たして実用になるかどうか、試した限りではかなり悲惨でした。

というわけでざっくりご紹介いたしました。
かなりお勧めですよ。