海外のゲーム動画で見て惚れました。
Glory to Arstotzka!
先に言っておきますが、このゲームは、暗いです。
今まで僕がやってきたどんなゲームよりも暗いです。
このゲームでプレイヤーは Arstotzka の入国審査官となり、入国者を ACCEPT (入国許可)/ DENIED(不許可) にわけてゆきます。
なぜこんなに殺伐としているのかというと、独立したばかりの仮想の共産国 Arstotzka と敵対する共産国 Kolechina の国境が舞台だからです。
プレイヤーにしたって、夢と希望をもって入国審査官になったわけではないですからね。
10月の労働者抽選で選ばれ、家族を村から連れてきて養っているだけです。希望なんかほんの僅かもありゃしない。
ざっと流れを見てみましょう。
これがゲーム画面——入国希望者の運命を左右し、様々なドラマが生まれるあなたのブースです。
赤字は筆者が書き足しました |
暗い!!
画面上がブースの外の様子、左がブースの全貌、右があなたのデスクです。
ゲームが進むとショートカットも使えるようになりますが、最初はマウスのクリックとドラッグのみです。
旅行者は左側に書類を出してきますので、デスクにドラッグ&ドロップして書類を検分しましょう。
先にクリアのためにとても重要な、ブースの情報を整理しておきましょう。
左から、カレンダーと時計、指示や手配書をまとめた手紙、オーディオトランススクリプト、ルールブック、体重計です。
非常に見えづらいですか、旅行者の後ろ側に書いてある縞は身長の指標です。
オーディオトランススクリプトとは、相手の喋ったことをテキストに落としたもので、たいへん便利です。
最初の数日、もっぱら使うのは時計とルールブックでしょうね。
右下の Inspector と書いてあるのはプレイヤーを助けてくれる調査機能で、具体的な使い方は後ほど。
シャッターはブースのシャッターで、朝一番に開けるところから始まります。
シャッターの上にあるスピーカーは超重要で、高圧的に次の客を呼ぶのに使います。これ押さないと仕事になりません。
NEXT!
日本のパスポートは超強力ですので、友好的な関係にある国に出入りするのに他の書類出したりしません。ですがここはアレ。アレな国とアレな国の国境。
ゲームが進むと、この入国ゲートはテロリスト、密入国者の脅威に晒されます。
毎日必要な書類が増えていくでしょう。
最も基本となるのはパスポートです。パスポートの情報と他の情報に矛盾がないか、有効期限を調べるのが基本です。
つまり、氏名、性別、パスポート番号、写真、発行都市(ISS)、有効期限です。
上のスクリーンショットはもうだいぶ複雑な状況です。
入国者から、入国許可証、ID付帯情報、が提出されましたが肝心のパスポートが出てません。
ルールブックを出して、最初の項目 "入国者はパスポートを所持すること" を参照しましょう。
右下の Inspector を押して有効化し、指摘すべき項目を順にクリックします。
この場合は、ルールブックの最初の項目とテーブルの上をクリックし、パスポートが不足していることを示します。
(スクリーンショットはまさにその瞬間であります)
その後、オーディオトランススクリプトがある Interrogate を使って尋問します。
「ああ、パスポートね。これだよ」なんて言いながらパスポートが出てきました。
氏名、性別、体型、特徴、パスポート発行都市、パスポート番号、全ての書類の有効期限……書類上は問題なさそうです。
更に指名手配書とオーディオトランススクリプトを調べて、 入国目的と期間が入国許可証とズレていなければ、 ACCEPT のスタンプを押して入国許可をしても大丈夫そうです。
スタンプを押したら書類を全て返却して見送りましょう。
Glory to Arstotzka!!
もし人相が写真と合わない場合、氏名が異なる場合、性別が異なる場合は inspector を使って指摘し、更に指紋を取ったりスキャンなどをします。
危険物を持っている場合は、 Inspector でルールブックの「武器、麻薬の持ち込みを禁ず」を参照して指摘してください。
逮捕権が与えられたら、その場で逮捕することもできます。
さて、これはかなり簡単な例。
Arstotzka のパスポートを持つ者は付帯書類がずっと少なくてよいです。
初日は Arstotzka 国民なら全員受け入れてよく、それ以外のパスポートは全部拒否してよいです。
その後、 Arstotzka 国民はパスポートと ID が必要になります。
この場合は ID とパスポートの対照は問題ありませんが、パスポートの有効期限が切れています。
Inspector を起動して、有効期限とカレンダーを対照しましょう。これを指摘すると相手は「時間がなかった」など言い訳しますが、聞く耳持つことはありません。
ぱぱっとリジェクトして次の人を呼びましょう。
NEXT!
有効な期間を示す日付は、一番基本的な有効期限である Expire と、示された日付から有効な "Valid on" と示された日まで有効な "Date by" などがあるので注意しましょう。
でも本当に辛いのは生活
このゲームが暗いのは雰囲気が陰々滅々としていて仕事が単調で、呪われろ!とか呪詛の言葉を浴びせられるからだけではありません。
一日10人処理しても$50くらいにしかならない、その超低賃金とクソ高い物価にあります。
Arstotzka では毎日 $25 のアパートの料金と $15 の燃料費がかかります。そうでなければ家族は凍え、弱い者から病気になってしまいます。
テロが発生すると半ドンなので5-6人の処理で大赤字です。
初めのうちこそ、誤って正しい書類をリジェクトしてしまってもペナルティにはなりません。
ですがすぐ厳格さが求められるようになり、間違って密入国者を通してしまっても、正当な入国者を拒んでしまっても給料を引かれるようになります。
最初の二回は警告、そして次からは -$5 のペナルティ。
家賃が払えなくなれば即クビであります。
そうなる前に家族は凍え、飢え、病み、妹は窃盗で捕まり姪が宿無しに……。
このゲームには冗長な説明とかはありません。
一日のリザルトに表示される短いテキストと、翌朝の新聞が基本です。
翌朝の新聞を見ると、昨日通した不法入国者が殺人で捕まったり死んでいたりします。
周辺国との関係も悪くなる一方。
そんなプレイヤーにとってほんの僅かな希望は、たまに持ちかけられる賄賂です。
守衛が持ちかけて来る、一人逮捕するとボーナスくれる話はとにかく美味しい。期限切れや入国理由があやふやなだけでは逮捕できないから、パスポート偽造してる奴や危険物隠している奴を見つけると嬉しくなりますよ。
そして怪しい反政府組織 EZIC がプレイヤーに接触し、巨額賄賂を受け取るよう迫ります。
賄賂の見返りは彼らへの協力。敵対組織の構成員をみつけて入国拒否したり、不法入国の手助けをしたり、さらには——。
もちろん、頑に賄賂を断ることもできると思います。エンディングは20種類。
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